ペアプロと建設的相互作用

概要

教育心理学概論 の6章2節に建設的相互作用というものが出てきます。建設的相互作用を踏まえてペアプロを行なった方がペアプロの効果を高めるためられるかもという内容です。

本の内容

6章 建設的相互作用論

ミシンが縫える仕組みの理解を扱った研究と折り紙を使った計算を扱った研究が出てきます。
ミシンが縫える仕組みの理解を扱った研究では、ペアでミシンが縫える仕組みを納得いく説明を作って欲しいと依頼する。最も詳しく分析できたのは、ミシンは物理的に不可能な機械だと主張した大学院生と修理までしたことがある客員研究員だった。
折り紙を使った計算を扱った研究では、折り紙を渡して「3/4の2/3」に斜線を引いてくださいと依頼する。折り紙を追ってもいいし、1/2と計算してから斜線を引いてもいい。9割以上の人は折り紙を折った。第二試行として「2/3の3/4」を依頼しても、2割りしか計算してから斜線を引くことはなかった。ペアで同じ試行を行わせた場合は、第二試行で7割が計算してから斜線を移行した。

分かるまでのプロセス

「分からない」から「分かる」にいつる間に次の5つのステップを踏むと想定されている 1. ある事物や物事が果たしている機能の1つを「同定」する 2. 同定した機能について、その仕組みを「疑問視」する 3. 仕組みをより詳しいレベルでの機能のつながりとして「探索」する 4. 説明の候補になる機能のつながりを「提案」する 5. 提案した説明が十分正しいかどうか「確認」する

12章 問題を解く時に、2人の方が1人よりも有利になる条件

そもそもコードを書くのは問題を解くのとは異なるが、それは置いておく。
12章では、2人の方が1人よりも有利になる条件の話が書いてある。
2人で行った場合に時間が半分になったり、正答率が二倍になることはそうそうない。2人の手が見えやすい作業を行なった方が、回答に早く辿りつくようだ。逆に2人の手が見えない場合は1人で行うのと同程度の時間で回答にたどりつくようだ。

その他の資料

建設的相互作用に関する論文やブログをいくつか読みましたが、教育心理学概論がまとまっててわかりやすかったです。

感想

建設的相互作用をより高めるために2人が手が見えやすい作業することによってペアプロの効果を高めれそう。2人が手が見えやすいように作業するためには、常に考えていることを口に出したり、行うべきことをTodoリストに書き出したり、行うたいことをテストコードで表現したり、間違っても恥ずかしがったり怒らないようにしたり、良いことをしたら褒めたりする必要がある。2人が手が見えやすいように作業することは簡単にはできることではなく、ある程度訓練する必要があると思われる。